年末調整って何? 税金が返ってくる理由を知って得をしよう

年末調整とはなにか? まずは制度の概要を理解しよう

年末調整とは、仮払いしていた所得税額を正しく再計算し、過不足を精算する制度です。再計算の結果、所得税の払いすぎが判明すると、差額分が返ってきます。

多くの企業で12月支払分の給与で差額の精算をしています。「年末に行われる調整」ですから、年末調整といいます。

所得税の差額が発生する理由とは

年末調整で税金が返ってくる理由は差額があるからと説明しましたが、そもそも、なぜ差額が発生するのでしょうか?

私達は、国税庁が作成している源泉徴収税額表という表をもとに算出した所得税額を毎月仮払いをしています。なぜ仮払いかというと、「控除」が反映されていないからです。給与を得ている人は、扶養控除や保険控除など様々な控除が受けられます。

どれくらいの控除を受けられるかは、一人ひとり異なりますが、個別の状況を毎月調査することは困難です。

そのため、月々の給与からは概算で所得税を支払い、正しい金額については、年末調整で確定させることになっています。

年末調整では、扶養控除申告書や保険料控除申告書という書類を提出して、自分がどれだけ控除を受けられるのかを申告することになります。控除できるにもかかわらず、申告を忘れてしまうと、本来よりも多く所得税を支払うことになります。どのような控除を申告できるのか把握し、申告忘れを防ぎましょう。

控除の種類はいろいろ、自分に当てはまるか確認しよう

それでは、ここからは具体的にどういう控除があるのかを紹介しますので、ご自分が申告できそうな控除があるか確認しましょう。

扶養控除

16歳以上の家族がいる場合、扶養控除として38万円を所得から差し引くことができます。扶養控除を受ける条件はいくつかありますが、条件の一つに「年間の給与収入が103万円以下であること」があります。学生時代、アルバイトをするときに、親から103万円を超えないよう言われていた方もいるのではないでしょうか。それは扶養控除の38万円を申告できなくなってしまうからだったんです。

配偶者控除

配偶者がいる場合、配偶者本人の給与収入額次第で、控除を受けられます。

平成29年度税制改正により、配偶者本人の給与収入が150万円以下であれば、扶養控除とは別に38万円の控除を受けることが出来るようになりました。

保険料控除

生命保険等の保険料を支払っている方は、決められた計算式により算出される額の控除を受けられます。保険種類は

  1. 一般の生命保険
  2. 介護医療保険
  3. 個人年金保険

の3つに別れていて、種類ごとに4万円ずつ、最大12万円の控除が受けられます。(新制度の場合)尚、保険料控除は、家族名義の保険契約であっても、実際に支払っている方の控除として取扱が可能です。配偶者や子供名義の契約がある場合も、忘れずに申告しましょう。

地震保険料控除

地震保険を契約している場合や損害保険契約の中で、地震等損害部分の保険料を支払っている方が申告できます。賃貸住宅に住んでいる方は、契約時に火災保険への加入が義務付けられていることがほとんどかと思いますが、実はその保険料に地震等損害部分が含まれている場合があります。強制加入の保険の控除は忘れがちですので、注意しましょう。

住宅ローン控除

住宅ローンを借りている人は、ローンの年末残高の1%(最大40万円)の控除を合計10年の間、受けることが出来ます。申告には税務署から届く「住宅借入金等控除証明書」と金融機関から届く「残高証明書」が必要になります。郵送されてきたら、年末調整まで大切に保管しましょう。

尚、住宅ローンを借りた1年目だけは年末調整ではなく、税務署で「確定申告」の手続きをする必要があります。

医療費控除

1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超える方は医療費控除が申告できます。この「支払った医療費」は自身のだけでなく、同一生計の家族の分も含まれます。万が一、高額な医療費がかかる事態になってしまった場合は、忘れずに申告することで、税負担を軽減することが出来ます。

家計の保険契約や医療費の状況を把握しよう

いかがでしたでしょうか。申告できそうな控除はありましたか?控除の種類や内容を把握しておくと、払い過ぎを防止して得することが出来ますよ。保険契約や医療費については、家族で一度確認しておくことをオススメします。

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